新潟県令和2年実施教員採用試験問題(数学科)解答・解説

問題

期待値が6, 分散が2の二項分布に従う確率変数を\(X\)とする。\(X=k\) となる確率を \(P_k\) とするとき, \(P_5\) は \(P_4\) の何倍か。

注目ポイント!

二項分布の確率変数が\(X = k\)

⇒

解答への第一歩

二項分布の期待値, 分散の式から \(n\) 回中成功する確率 \(p\) を調べる。


解説

この問題では, 二項分布の場合を考えるため、二項分布でのの期待値, 分散の公式を用いる。

二項分布での期待値・分散
期待値: \(E(X)=np\)
 分散: \(V(X)=np(1-p)\) ※n : 試行回数, p : 事象の確率

仮定から, \(E(X)=6\), \(V(X)=2\) であるから,
\(\begin{eqnarray} \left \{ \begin{array}{c} np &=& 6 …①\\ np(1-p) &=& 2 …② \end{array} \right. \end{eqnarray}\)
これらの式を連立して解くと, \(p = \frac{2}{3}, n = 9\)と求まる。

以上より, これは9回試行して成功する確率が\(\frac{2}{3}\)という意味になる。

ここで確率変数が \(X=k\) というのは, ベルヌーイ試行を \(n\) 回行い \(k\) 回成功させるという意味だから,
\(\large P_k = _9C_k(\frac{2}{3})^k(\frac{1}{3})^{9-k}\)

\(k = 4\) のとき
\(\large P_4 = _9C_4(\frac{2}{3})^4(\frac{1}{3})^5\)

\(k = 5\) のとき
\(\large P_5 = _9C_5(\frac{2}{3})^5(\frac{1}{3})^4\)
であるから

\(\begin{eqnarray} \frac{P_5}{P_4} &=& \frac{\large _9C_5(\frac{2}{3})^5(\frac{1}{3})^4}{\large _9C_4(\frac{2}{3})^4(\frac{1}{3})^5} \\ &=& \frac{\large \frac{2}{3}}{\large \frac{1}{3}} \\ &=& 2 \end{eqnarray}\)

以上より, \(P_5 = 2P_4\) であるから, \(2\) 倍



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