新潟県令和2年実施教員採用試験問題(数学科)解答・解説

問題

[2]次の(1), (2)に答えなさい。

(1) \(x\) を実数とするとき, \(t=2^x+2^{-x}\) の取り得る値の範囲を求めなさい。

(2) \(a\) を実数定数とする。 \(x\) の方程式 \(4^x+4^{-x}+2a(2^x+2^{-x})-3a+6=0\) が 異なる4つの実数解をもつような, \(a\) の値の範囲を求めなさい。

(1)

注目ポイント!

\(a>0, b>0\)のときの\(a+b\)の範囲を求める。

⇒

解答への第一歩

  • 相加平均・相乗平均の関係

解説

\(2^x>0, 2^{-x}>0\)であるから, 相加平均・相乗平均の関係より,

\(t = 2^x + 2^{-x} \geqq 2\sqrt{2^x・2^{-x}} = 2\)
ここで, 等号成立は \(x = 0\) のとき。
以上より, \(t \geqq 2 \)


(2)

注目ポイント!

(1)の内容が使えるか確認!

⇒

解答への第一歩

次数を減らし, 解きやすい方程式に変形する。


解説

\(f(x) = 4^x + 4^{-x} + 2a(2^x+2^{-x}) -3a + 6 = 0\) とする。
\(f(x)\) を \(t\)を用いて表すと,

\(\begin{eqnarray} 4^x+4^{-x}+2a(2^x+2^{-x})-3a+6&=&0\\ (2^x+2^{-x})^2 - 2 + 2a(2^x+2^{-x}) - 3a + 6 &=& 0\\ t^2 + 2at - 3a + 4 = 0 ・・・① \end{eqnarray}\)

(1)より, \(t \geqq 2\)である。

ここで, \(2^x + 2^{-x} = t\) の両辺に\(2^x\)を掛け, \(2^x\)について解くと,

\(\begin{eqnarray} (2^x)^2 - t・2^x + 1 &=& 0 2^x &=& \frac{t\pm \sqrt{t^2 - 4}}{2} \end{eqnarray}\)

このことから, \(t\) が1つ決まると\(x\) が2つ出るため,

条件に合うためには①の解が2つ出る必要がある。

\(f(t) = t^2 + 2at -3a +4\) とおくと,
この方程式が満たす条件は,

[i]実数解を2つもつから①の判別式\(D > 0\)

[ii]①の軸は2より小さい値

[iii]\(t = 2\)のとき, \(f(2) > 0\)

であるから, これらの共通範囲を求めればよい。

[i]より \(\begin{eqnarray} D &=& 4a^2 - 2( -3a + 4)\\ &=& 4a^2 + 6a - 8 > 0 \end{eqnarray}\)

\(4a^2 + 6a - 8 > 0\) を解くと
\(a < \frac{-3-\sqrt{41}}{4}, \frac{-3+\sqrt{41}}{4} < a\)

[ii]より

①を平方完成すると,
\((t+a)^2 - a^2 -3a + 4 = 0\)
軸は\(t = -a\)
\(\therefore\)\(a > -2\)

[iii]より
\(\begin{eqnarray} f(2) &=& 4 + 4a -3a + 4 \\ &=& a + 8 > 0 \end{eqnarray}\) \(\therefore\)\(a < -8\)

以上より, 求める\(a\)の共通範囲は
\(a < -8, \frac{-3-\sqrt{41}}{4} < a\)


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